http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/     http://kanbun-iinkai.com     http://3rd.geocities.jp/miz910yh/     http://kanbuniinkai7.dousetsu.com http://kanbuniinkai06.sitemix.jp/   http://kanbuniinkai.web.fc2.com/ http://kanbuniinkai12.dousetsu.com/   http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/


 
漢詩総合サイト

http://kanbuniinkai7.dousetsu.com





時代の変遷・概略 漢詩理解のための時代の解説一覧
 中国の時代と詩人のたち
上代から漢の詩人
孔子 孟子 屈原 宋玉 荊軻 項羽
から三国、隋の詩人
武帝 蘇武 王昭君 卓文君 蔡邑
曹操 曹丕 曹植 阮籍 陶淵明 

 唐代の詩人
  ・初唐の詩人たち
魏徴 王勃 蘆照鄰 駱賓王 沈栓期 宗之問 上官儀 上官宛兒 劉希夷
  ・盛唐の詩人たち
張説 張九齢 賀知章 孟浩然 王維 裴迪 王昌齢  王翰 賈至 高適 李白 杜甫 岑參 王之渙 
  ・中唐の詩人たち
韋応物 劉張卿 孟郊 柳宗元 劉禹錫 白楽天 張継 顔真卿 元槇 薛濤
  ・晩唐の詩人たち
杜牧 李商隠 温庭均 高胼 曹松  魚玄機
 
 宋代から近代詩人
蘇東坡 欧陽脩 司馬光 晏殊 王安石 曹鞏 岳飛 陸游 朱熹 辛棄疾 高啓 秋瑾 

  女性詩人たち 
雰囲気の柔らかい詩を書く詩人たち

 ・王昭君  卓文君 劉細君
 白楽天 王昭君を詠う二首
 ・班u、  蔡炎  謝眺
 ・上官宛兒   楊貴妃
 ・薛濤(せつとう)  唐宛
 ・魚玄機の詩   秋瑾

中国4000年の奇跡

杜甫・王維・李白の生きた時代:関連年賦

○安史の乱と3詩人編集中

杜詩研究

●杜詩研究編集中

○ 杜甫詩 1411首
  ・ 年賦・詩の時系序列
○ 杜甫 詩目次と詩のタイトル
○ 杜甫アウトライン
○ 杜甫ものがたり編集中
○ 杜甫 李白を詠う

◎ 青年期と李白と遭遇期
◎ 李白と別離仕官叶う期
◎ 漂泊の旅情期

○ 杜甫私記編集中
○ 杜詩研究編集中

 杜甫の人生(一般論)
  吉川幸次郎『杜甫ノート」の要約
 杜甫間違った士官の
 杜詩『白髪の詩」の変遷
 杜詩「政治的発言」変化
 杜詩「愛すべき詩」
  中国詩史上初、妻を愛す詩
 杜詩「自然への愛」
 杜詩「抑圧された人への愛」
  中国詩史上初、社会で抑圧された人を詠う
 杜詩「調子に乗ってしまった?」
 杜甫の人生
  杜詩の画期的時期につぃて

◎ 杜甫 李白を詠う
  ・贈李白[五言律排]
  ・贈李白[七言絶句]
  ・遣懐
  ・春日憶李白
  ・飲中八仙歌
  ・昔游
  ・冬日有懐李白



王維の詩

● 王維詩研究

  ・ 王維詩 
    年賦・詩の時系序列
○ 王維 詩目次と詩のタイトル
○ 王維詩アウトライン
○ 王維ものがたり(一般論)
○ 王維ものがたり(画期的時期)研究
   王維 罔川集 20首


李白の詩
■ 李白の詩
 ・送別の詩  ・春爛漫詩
 ・楼上の詩  ・交友の詩
 ・情愛の詩  ・酒友の詩
 ・夏日の詩  ・戦乱の詩
 ・懐古の詩  ・気概の詩
 ・旅情の詩  ・望郷の詩
 ・閑適の詩  ・老境の詩
 ・冬日の詩  ・人生の詩
◎ 李白杜甫を詠う
漢詩総合サイト

漢詩ジオシティーズ倶楽部

漢文委員会 fc2支部














「湖上に飮み 初め晴れるも後に雨ふる」
水光 瀲艶(れんえん)として 晴れて方(まさ)に好し,
山色 空濛(くうもう)として 雨も 亦た 奇なり。
西湖を 把(と)って 西子に 比せんと欲せば,
淡粧 濃抹 總(すべ)て 相宜(よろ)し。



 蘇東坡の詩


飮湖上初晴後雨



 

紀元前5世紀ごろ、春秋時代の越の國の絶世の美女西施は、呉王夫差ととりこにした。その美貌に准えて西湖の美しさが詠われています。
晴れた日の湖は丹念に化粧をした艶やかさがあり、雨に薄く煙るさまは薄化粧の風情、なんとも洒落た表現力です。

 蘇東坡 38歳の作(1075) 
北宋の文人で、詩は宋代第一と称された。官僚。1036年(景祐三年)〜1101年(建中靖國元年)

D 飮湖上初晴後雨

水光瀲艶晴方好,山色空濛雨亦奇。


欲把西湖比西子,淡粧濃抹總相宜。



西湖  蘇堤

「西湖上で、酒盛りをしたら、初めのうちは晴れていたが、やがて雨が降ってきた。」
湖のさざ波のしきりに動く水面が輝きは、晴れわたった今こそ素晴しい。一方、薄ぼんやりと山を包んだ雨の景色も、また独特の趣がある。 
もしこの西湖を古の美女西施(西子)に譬えてみるならば、薄化粧も濃い化粧も、どれもみな風情がある。




この作品当時の蘇東坡は杭州の副知事を務めていました。酒に弱いながらも酒好きだった蘇東坡は子の詩にもあるように「湖上に飲す」とあるように船の上でほろ酔い気分になって詠んだものでしょう。このころ、西湖はていれもされず荒れ放題でした。後に蘇東坡は杭州の知事になり、西湖の大改修に取り組みます。
そのとき作られた堤が「蘇堤」です。蘇東坡に因んで名づけられました。「蘇堤」は、湖の南北、およそ3kmを結び、美しい西湖を楽しむ散策路として、今の世まで長く人々に親しまれています。

『聯珠詩格』より
 私感註釈
飮湖上初晴後雨:
(杭州の西)湖上で、酒盛りをしたら、初めのうちは晴れていたが、やがて雨が降ってきた。
 *杭州西湖上で、酒盛りをし、西湖の風光の麗しさと西施の美を比べて詠ったもの。清末、黄遵憲がこれに基づいて一連の作品を遺している。 ・飮湖上:杭州西湖上で、酒盛りをした。 ・初晴後雨:初めのうちは晴れていたが、やがて雨が降ってきた。「晴」「雨」は、動詞として使われている。

水光瀲?晴方好:
湖の水面が輝き、さざ波のしきりに動くのは、晴れの時がちょうよい。
 ・水光:水面の輝き。 ・瀲:(れんえん;lian4yan4)さざ波のしきりに動くさま。水の溢れるさま。ここは、前者の意。 ・方:まさに。ちょうど。ここを「方好」(ちょうどよい)、とはせずに「偏好」(ひとえによい)とするのもある。平仄から謂うと、ここは○が来べきところで、「方」「偏」ともに適合している。
『蘇東坡絶句』より
山色空濛雨亦奇:
山の色が霧雨が降って薄暗いさまでは、雨もまた独特の趣がある。 ・山色:山の色。 ・空濛:霧雨が降って薄暗いさま。唐・武元衡の『題嘉陵驛』に「悠悠風旆繞山川,山驛空濛雨作煙。路半嘉陵頭已白,蜀門西更上青天。」とある。 ・亦…もまた(同様に)。(晴れは、なかなか佳いものだが、雨)もまた同様に。 ・奇:めずらしい。独特の趣がある。

欲把西湖比西子:
西湖を西施と比較しようとすれば。 ・欲:…をしようとする。『聯珠詩格』では「若」とする。「若」:もし。もしも。 ・把:〔古語・現代語〕…をもって。…を取って。本来は動詞で、「手に持つ」ということだが、介詞的な雰囲気が漂っている。「將+名詞」の場合の「將」に限りなく近い。「以」にも稍近い。 ・西湖:杭州にある風光明媚な湖で、西湖十景で有名。「斷橋殘雪」「蘇堤春曉」「雷峰夕照」「三潭印月」「雙峰插雲」「花港觀魚」「曲院風荷」「南屏晩鐘」「柳浪聞鶯」「平湖秋月」と、実に優雅な名の美しいところである。 ・比:〔古語・現代語〕くらべる。西湖、西施どちらも、「西」が附いていることから来る聯想もあろう。 ・西子:西施。春秋時代の越の國の美女。呉王夫差の愛妃。「西施捧心」「効顰」で有名。呉王夫差は、愛妃西施のために、ここ西湖畔の姑蘇山上に(姑)蘇台を築いた。

淡粧濃抹總相宜:
薄化粧も濃い化粧も、(それぞれが)全てぴったりとしている。 ・淡粧:淡い化粧。薄化粧。 ・濃抹:濃い化粧。「淡粧濃抹」は、西施の化粧のさまと、西湖の天候の変化を謂う。 ・總:すべて。総じて。 ・相宜:〔白話〕適当である。適合している。ふさわしい。

◎ 句の大意
・水光瀲晴方好:水面にはさざ波のしきりに起って、晴れてちょうどよい、
・山色空濛雨亦奇:山の色が雨にけぶる風情もなかなかのものである。
・欲把西湖比西子:西湖を西施と比べて(謂お)うとすれば、
・淡粧濃抹總相宜:薄化粧も濃い化粧も(晴れても雨であっても)、どちらもなかなかふさわしい。



「湖上に飮み 初め晴れるも後に雨ふる」
水光 瀲艶(れんえん)として 晴れて方(まさ)に好し,
山色 空濛(くうもう)として 雨も 亦た 奇なり。
西湖を 把(と)って 西子に 比せんと欲せば,
淡粧 濃抹 總(すべ)て 相宜(よろ)し。



   ページの先頭へ