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詩の訳文

白い練り絹の面から風や霜がわき起こるかとおもわれるのは、青黒い鷹の絵の出来映えが素晴しいからだ。
その鷹は肩を怒らせてはしこい兎を狙おうとしているのであろうか、その横目に睨んでいる心配顔のトルコ人に似ている。
足をくくるひもの環輪は手で摘み取ることができそうに光っており、軒端の柱のあたりで呼べばすぐにも飛び出しそうな勢いがある。
いつかは凡鳥どもを敲き伏せ、毛や血を平原に撒き散らすことであろう。

































畫 鷹              
素練風霜起、蒼鷹画作殊。
雙身思狡兎、側目似愁胡。
絛銑光堪摘、軒楹勢可呼。
何当撃凡鳥、毛血灑平蕪。


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下し文
画 鷹
素練それん風霜ふうそう起こり
蒼鷹そうよう画作がさくことなり
身を雙そびやかして狡兎こうとを思い
目を側そばだてて愁胡しゅうこに似たり
絛銑とうせん光摘むに堪え
軒楹けんえい勢い呼ぶ可し
いつか当まさに凡鳥を撃ちて
毛血平蕪へいぶに灑そそぐべき































































畫 鷹              
素練風霜起、蒼鷹画作殊。
雙身思狡兎、側目似愁胡。
絛銑光堪摘、軒楹勢可呼。
何当撃凡鳥、毛血灑平蕪。


  9. 畫鷹  


  9. 畫鷹



9 畫鷹 (就職活動する。)
 五言律詩。絵にかいた鷹についてよんだ詩。天宝元載 742年31歳

畫 鷹 
素練風霜起、蒼鷹画作殊。
雙身思狡兎、側目似愁胡。
絛銑光堪摘、軒楹勢可呼。
何当撃凡鳥、毛血灑平蕪。

白い練り絹の面から風や霜がわき起こるかとおもわれるのは、青黒い鷹の絵の出来映えが素晴しいからだ。
その鷹は肩を怒らせてはしこい兎を狙おうとしているのであろうか、その横目に睨んでいる心配顔のトルコ人に似ている。
足をくくるひもの環輪は手で摘み取ることができそうに光っており、軒端の柱のあたりで呼べばすぐにも飛び出しそうな勢いがある。
いつかは凡鳥どもを敲き伏せ、毛や血を平原に撒き散らすことであろう。


画 鷹
素練それん風霜ふうそう起こり
蒼鷹そうよう画作がさくことなり
身を雙そびやかして狡兎こうとを思い
目を側そばだてて愁胡しゅうこに似たり
絛銑とうせん光摘むに堪え
軒楹けんえい勢い呼ぶ可し
いつか当まさに凡鳥を撃ちて
毛血平蕪へいぶに灑そそぐべき


 開元は二十九年で終わり、翌年は天宝と改元されます天宝元年に「おば」が亡くなり、杜甫は墓誌銘を作って丁寧に葬ります。
杜甫の毎日は「尸郷の土室」から洛陽に出かけ、知友と交わったり、権貴の邸宅に招かれて詩を贈ったりしました。この交際は就職活動で、当時の文人、知識人の誰もがやっていました。

 「画鷹」(がよう)はその就職活動の題画詩のひとつです。唐代の絵画は壁画が主流ですが、「素練」(白い練り絹)に絵を描くことも始まっていたようです。題画詩は絵の余白にちなんだ詩を書きつけるものです。


9. 畫鷹(素練風霜起)
杜甫は見事に詩と鷹を描いています。この詩も前二句、中四句、後二句の形式になっており、中四句の鷹の描写に杜甫の才能の鋭さが覗われます。


・愁胡:心配顔のトルコ人。晋の孫楚の「鷹の賦」に「深目蛾眉、状は愁胡に似たり」とある。・僚鉱:鷹の足をくくったひもを通す金属の環輪。 ・樋:摘に通ず。つまむ。

○素練 しろいえぎぬ。○風霜起 絹面の白きと鷹の勢いとより霜を連想したもの。○蒼鷹 ごましおの羽色のたか。○画作 画のできぐあい。○殊 尋常でない。○攫身 渡は心に従って健に作るべきである。字の誤りであり、優は疎に同じく、そびやかすこと。身をそびやかすとは肩を怒らすようにすること。〇枚兎 ずるいうさぎ。○側目 よこめににらむ。○愁胡 心配そうなかおつきをした胡人。鷹の目つきを愁胡にたとえることは晋の孫楚の「鷹ノ賦」にみえる。○候 さなだひも。○錬 ろくろ仕掛けの金環。鷹の足をさなだ抄もでくくり、この環につないでおく。○光堪摘 光とは鋲のうごくにつれひかることをいう。楠の字は疑わしいが旧注は解去の義ととく、つまんでとりさることをいう。○軒橡 のきば、はしら。○勢 鷹の猛き勢い。○可呼 呼ぶとはこの鷺にかけごえをして猟をさせることをいう。○何当 何は何時の義。○凡鳥 烏雀の類。○平帝 蕪とは荒野をいう。

○韻字 殊・胡・呼・蕪。

画 鷹
素練それん風霜ふうそう起こり、蒼鷹そうよう画作がさくことなり
身を雙そびやかして狡兎こうとを思い、目を側そばだてて愁胡しゅうこに似たり
絛銑とうせん光摘むに堪え、軒楹けんえい勢い呼ぶ可し
いつか当まさに凡鳥を撃ちて。毛血平蕪へいぶに灑そそぐべき