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いままではこの歌をこんな風に読みました

春眠 曉を 覺えず,
處處 啼鳥を 聞く。
夜來 風雨の聲,
花 落つることを知る 多少。


私たちは長いことこの読み方に慣れ親しんできました。吟じる人はこの下し文でないといけないのですが、現代は読みに固執しなくても詩人の魂を理解できはずです。。

 孟浩然は春になるとは夜明けが早くなります。朝廷には夜明けまでに出勤ですからたいへんです。そのことを踏まえて、読むと
春になると寝坊してしまう、気が付いたらとっくに夜が明けて鳥の声がしている。
 昨夜は風雨の音で寝つきが悪くなったほどだ。でもきっと花がたくさん落ちたことは寝ててもわかる。

 詩は、フィーリングです。詩の意味を理科できたら、そのまま漢字だけを見て感じ取っていただきたい。
 中国語の読みだできればそれに越したことはありませんが、漢字のフィーリングを感じることが最も大切なことなのです。

 日本語の音読みのみで感じても十分作者の訴えたかったことが理解できます。
 日本人は漢字の意味が分かります。わかるから、無理して、訓読みする必要はないのです。





桃は紅にして、復(ま)た宿雨(しゅくう)を含み、
柳は緑にして、更に春煙(しゅんえん)を帯ぶ。
花落ちて 家僮 未(いま)だ掃(は)らわず、
鶯啼いて 山客 猶(な)お 眠る。




 日本人は中国の詩をいろんな形で楽しむことができるのです。

 この二首の絶句を中国語で聞いても聞くたびに段々声の調子で意味が分かるようになるから不思議です。
 欧米人は音での理解はできても漢字の持つ味わいはできません。中国人も時より発音声の調子で理解します。だから、いま中国の人たちより漢字については日本人のほうが読み取れるのではないでしょうか。









 漢文委員会はこのフィーリングを大切に漢詩に触れていきます。
盛唐の詩人 
孟浩然 春暁 と 王維 ,田園楽


孟浩然 春暁 と 王維 ,田園楽


 729年王維31歳孟浩然41歳の時二人は世俗から離れて春の眠りを詠います。

 孟浩然は若いころは磊落な生活だったようで、40歳くらいまで、各地を旅していました。そして、唐の国の都、長安にやってきます。同じころ李白も長安に来ていました。李白、王維、孟浩然。岑参、詩人仲間はすぐに打ち解けます。でもその中で王維と孟浩然は詩に対して底辺にあるものに交換を持てたのです。朝廷では、一方では、一芸に秀でたものを好む皇帝がよく宴を開きました。しかし、一方では、文人を忌み嫌い狡猾な宰相李林甫が台頭してきて文人の登用、重用の邪魔をしていた。
 士官を目指す詩人たちもこの李林甫により夢を壊されていったのです。当時朝廷の出勤は夜明けなのです・鶏が夜明けを告げるころは朝廷に出勤しないといけないのです。孟浩然ンは士官がなかなかできませんから、悔しい思いをこの詩に歌っているのです。

210 1. 春曉   孟浩然

春眠不覺曉,處處聞啼鳥。

夜來風雨聲,花落知多少。


春の眠りは心地よいので、夜が明けるのも分からずに眠ってしまう。ふと目覚めるとあちこちから鳥のさえずりが聞こえてくる。
そういえばゆうべの雨風の音が激しかったが、今朝の庭にはどれほどの花がたくさん散ったことだろう。

 この詩は単に春の眠りの心地よさを詠っているのではありません。詩の本文の前におべているように孟浩然は早起きをして、朝廷勤めをしている者たちに、春の寝覚めは布団の中でゆっくりしているのがいいよ。といっているのです。


 孟浩然は、残された詩がたくさんあります。詩人としての技量も大変高いものがあります。この詩でも寝坊して、寝床の中から、昨夜の雨風の様子から始まり春たけなわの咲き誇る庭の花の状況、描写の移り変わりをよく表しています。    孟浩然の詩

 布団の中で、世俗のことなんか気にするより、昨夜の風雨で散った花弁も美和のあちこちにちりばめられて美しいような情景を彷彿させます。
 最後の句には小僧さん早く起きてせっかく美しい庭をきれいにするなよという意味を込めていると思います。

五言絶句 ○韻 暁、鳥、少 


 この詩を読んだ王維は早起きして掃除をしては興が覚めると詩を作りました。





 田園楽

(でんえんらく)王維(おうい)の珍しい六言の絶句

桃紅復含宿雨、柳緑更帯春煙。  

花落家童未掃、鶯啼山客猶眠。  


桃の花は、夕べの雨を含んでつやつやといっそう紅色あざやか、
柳は青さを増して、春のかすみにけむる
花が庭先に散り敷かれている、召使いの少年は掃き清めたりはしない。 ウグイスがしきりに鳴くのに山荘のあるじはまだまだ夢うつつ。


 この詩の作者王維は高級官僚でしたが、孟浩然のように自然の中での暮らしを愛していました。宮使いの合間に都の郊外にある山荘で悠々自適の生活を楽しんでいたのです。
 こうした生き方を「半官半隠」といいますが、こうした生活は詩人の憧れで古くから多くの詩人が詠っているのですが、王維の詩も孟浩然の詩もその情景は静かに語りかけていることです。
 同じように花が咲き、風雨があり、鶯が鳴き、庭に散った花が誰も踏みつけていないきれいな模様となっていて、だけど布団の中で眺めている。そして、あたりは他の煩わしいことは何にもない。そのことしかない静けさを醸し出しているのです。,
 二人の詩の違いは少しずつ感じますが、人をとっても穏やかにしてくれく詩人です。

王維詩    王維 罔川集 20首   王維ものがたり


詩の直接的な解説は以下に示します。
春眠不覺曉:春の眠りは(心地よいので、ついつい寝坊をしてしまい)明け方が分からずに眠り呆けてしまった。 ・春眠:春の季節の睡眠。 ・不覺曉:日の出の時を覚えていない。寝坊をすること。 ・覺:〔かく〕…を覚えている。知っている。気づく。 ・曉:あかつき。あけぼの。夜明け。
處處聞啼鳥:方々から鳥のさえずりが聞こえてくる。 ・處處:ところどころ。ほうぼう。いたるところ。 ・聞:きこえる。聞こえてくる。自動詞のような場合が比較的多い。「きく」の場合は、「聽」が多い。 ・啼鳥:鳴く鳥。さえずる鳥。
夜來風雨聲:昨夜は、雨風の音(が激しかったが)。 ・夜來:昨夜。夜間。また、昨夜来の意。その場合、「-來」は「〜から」の意。 ・風雨聲:雨風の音。
花落知多少:花は、さぞたくさん散ったことだろう。どれくらい散ったことだろうか。多いことだろう。 *「花 落つることを知んぬ 多少ぞ」とも読み下す。 ・花落:花が散る。 ・知:わかる。この語で、作者の推量を表している。 ・多少:どれほど、どれくらい。多い。少ない。
春眠+不覺曉處處+聞啼鳥
+風雨聲,花+知多少


02 田園楽 王維

田園楽:春のぼんやりした、けだるい情景の中で。
 王維は高級官僚でしたが、孟浩然のように自然の中での暮らしを愛しました。妻との早い死別れがそれを強めたのでしょう。宮使いの合間に、都の郊外にある山荘で悠々自適の生活を楽しんだのです。
こうした生き方を『半官半隠』といいますが、王維は地位や名誉は必ずしも心を満たすものではないと思っていました。
桃紅復含宿雨:桃の花は夕べの雨を含んで、つやつやと赤く。 ・宿雨:前日から降り続いている雨。
柳緑更帯春煙:柳は青さを増して、春の雨靄が漂っている。 ・春煙:雨靄。
花落家僮未掃:(その鮮やかな花が雨に打たれて、庭に落ちている。)庭に散り敷かれた花はそのままにして、召使にはかせたりはしない。 ・家僮:召使。
鶯啼山客猶眠:鶯がしきりに鳴くなか、山荘の主は、夢うつつ。 ・山客:山荘の主。王維のこと。

雨と靄、遠くの景色は春煙で水墨画の様なモノトーンの世界、その中に桃の紅と柳の緑が色あざやかに詠い込まれる。
 雨に濡れた庭の土はもっとも黒い。その上に散り敷かれた花、花びらも美しいのだろう。急いで召使に履かせたりはしない。自然のまま、自然の風情が一番きれいだ。鶯が鳴く中、朝寝坊をする
休みはたっぷり取って山荘でのんびり田園生活する。

桃紅+復含+宿柳緑+更帯+春。  
花落+家童+未掃、鶯啼+山客+猶
句、句。がそれぞれ対になる:対句。句、+句。を聯。聯の最後の語が韻です。絶句は対句と韻は欠かせない決まりです。




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