トップ > 杜甫詩 > 杜甫アウトライン > 杜甫と李白 > ・贈李白[五言律排] 贈李白[七言絶句] 送孔単父謝病歸游江東,兼呈李白 遣懐 冬日有懐李白 春日憶李白 飲中八仙歌 夢李白二首 天末懷李白 昔游 不見
■ 杜甫 李白を詠う
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1196不見
上元2年761年50歳五言古詩1196 不見 久しく李白を見ないのでその身のうえをおもって作る。上元二年の作。
1196不見
久しく李白を見ないのでその身のうえをおもって作る。上元二年の作であろう。
不見李生久,佯狂真可哀。
世人皆欲殺,吾意獨憐才。
敏捷詩千首,飄零酒一杯。
匡山讀書處,頭白好歸來。
自分は久しく李白にあわぬ。李白は狂人のまねをしておるが実に気の毒なものである。世間の人は彼を妬んでこれを殺そうとまでしているが、自分だけは彼の才を愛している。彼は詩才すばやくて忽ち千首の詩をつくりだす、それがおちぶれてはただ一杯の酒にうれいをやる。匡山には昔書を読んだところがある。老境となっては早くそこへ立ちかえってくるがよいと思う。
不見
○不見 首句の不見李生の不兄の二字をとる。○李生 李白をいう、白が夜郎に流されてのちの消息を詳らかにしなかったために彼のことを思うのである。○伴狂 いつわって狂人のまねをする。○殺 白を殺す。〇才白の才。○敏捷 すばやい。○諷零 おちぶれる。○匡山 白は局の綿州彰明県青蓮郷の人、県南に大匡山があり、白が書を読んだ処だという、一説に彰明県の匡山ではなくて九江の匡塵山、すなわち鷹山のことをいうとなす。○頭白 李白の老いていることをいう。○帰来 匡山へかえってこい。
(不 見)
李生を見ざること久し、佯狂 真に哀れむべし
世人皆殺さんと欲す 吾が意獨り才を憐れむ
敏捷 詩 千首、 飄零 酒 一杯
匡山 読書の処、 頭白好し帰り来たれ