63夜下征虜亭


李白63夜下征虜亭


夜下征虜亭

船下廣陵去、月明征虜亭。
山花如綉頬、江火似流螢。

船は長江を下って広陵にむかってゆく。月が明るく岸の上の征虜亨を照らしている。岸の花は、紅をさした頬のよう。 江上の漁火は、流れる螢を思わせる。


船下廣陵去、月明征虜亭。
船は長江を下って広陵にむかってゆく。月が明るく岸の上の征虜亨を照らしている。
○征虜亭 いまの江蘇省南京市にあった。晋の太元年問に、征虜将軍の謝安がこの亭を建てた。 ○広陵 いまの江蘇省江都県。揚州市に近い。


山花如綉頬、江火似流螢。
岸の花は、紅をさした頬のよう。 江上の漁火は、流れる螢を思わせる。
 ○綉頬 化粧した顔。綉は繍と同じく、色糸のぬいとり。 ○江火 江上に見える。船の火、漁火。


夜 征虜亭を下る
船は広陵に下りて去り、月は明らかなり 征虜亭。
山花 綉頬の如く、江火 流螢に似る。