http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/     http://kanbun-iinkai.com     http://3rd.geocities.jp/miz910yh/     http://kanbuniinkai7.dousetsu.com http://kanbuniinkai06.sitemix.jp/   http://kanbuniinkai.web.fc2.com/ http://kanbuniinkai12.dousetsu.com/   http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/

少年行と同題二首


少年行

少 年 行
貴族の子弟が酒屋において倣慢ちきに酒をのむさまをうたう。(762)宝応元年、杜甫51歳の成都での作品

馬上誰家白面郎、臨階下馬坐人牀。
不通姓氏鹿豪甚、指點銀瓶索酒嘗。

馬にうちのったどこの家のわかものかしらぬが、きざはしのそばで馬からおりてどっかと椅子に腰かけた。それから大ざっぱな様子でどこのだれとも名のらず、「あれをくれ」というて銀のさかがめを指ざしして酒をもとめてのんでいる。

○少年行 少年のことをよんだうた。  ○白面郎 かおのしろいわかもの。  ○階 さかやのきざはし。  〇人牀 他人の家のいす。○不通姓氏 だれそれと姓名をなのらぬ。  ○鹿豪 細慎ならぬことをいう。人も無げな大ざっぱなふるまい。  ○指点 あれと指ざしする。○銀瓶 銀でこしらえたさかがめ。

●韻 郎、牀、嘗

(少年行)
馬上誰が家の白面郎ぞ
階に臨み馬より下りて人の牀に坐す
姓氏を通ぜず?豪そごう甚し
銀瓶ぎんべいを指点して酒を索もとめて嘗なむ




少年行二首
杜甫51歳の成都での作品
(1)
莫笑田家老瓦盆、自從盛酒長兇孫。
傾銀注玉驚人眼、共酔終同臥竹根。

笑てはいけない農家の古ぼけた食器を、
それに酒、肴を盛って若者に提供する
銀や硝子の飾り物を盃にして、その家の人を困らせる
みんな酔っぱらって、ついに竹林で寝てしまう。

笑ふこと莫れ田家の老瓦盆
酒を盛りてより見孫に長ず
銀を傾け玉に注いで人の眼を驚かす
共に醉うて終に同じく竹根に臥す

○笑ふ莫れ。陳喧飮す、榊日貴客過 ぎり喧が陶器を用ふるを笑ふ。 暄周く、笑ふ莫れ、此の老瓦盆多く興廢か見ると.客語無し○銀尨傾け云云。銀玉を以て酒器 とするなり。○竹根に臥す。竹林に臥すなり


(2)

災燕養雛渾欲去、江花結子也無多。
黄衫年少來宜敷、不見堂前東慙波。

多くのツバメは雛を育てたら全員去ってゆく
長江沿いの花は、女子供らが見ていった
片肌脱いだ貴族の息子どもは来て勝手に座っている
知っているだろう、御堂の前でしきりに頭っているのを

○燕去り子を結ぶ。夏の景なり・○黄衫。唐の武徳四年廉人に敷し
 て黄衣尨服せしむ  尨 ぼう。むくいぬ。

集燕 雛を養う(渾べて去らんと欲す
花 子を結んで也多きこと無し
黄衫め年少 來ること宜しく數すべし
見ずや堂前東遯の波